細胞からできているわたし

細胞(さいぼう)は生き物の体をつくる基本です。細胞について観察し、体のつくりについて考えてみましょう。細胞や体の設計図である遺伝子を取り出してみたり、今話題の万能細胞についても考えてみましょう。

○自分の細胞を顕微鏡で観察しよう
<観察>細胞を見てみよう
@ つまようじの頭のほうで、ほっぺたの内側を強めにこする。(血が出ないように)
A スライドガラスになすりつけ、酢酸カーミン液を1滴落とす。(手につくと数日おちない。)
B 酢酸カーミン液の上にカバーガラスをかけて、顕微鏡で観察する。みえたようすをスケッチしよう。

口の中のほんのわずかな部分もたくさんの細胞でできていることがわかりました。
大人の人の体は、およそ60兆個の細胞からできているそうです。

細胞をよくみると、酢酸カーミンによくそまっている丸いものがあります。(細胞ひとつにひとつずつ)

これは「核(かく)」といい、生き物(をつくっている細胞)をつくるための遺伝子(いでんし)が入っています。

これはタマネギの根の先端の顕微鏡写真です。

たくさんの細胞の中には、核がひものようにみえているものがあります。
これを「染色体(せんしょくたい)」といい、ひとつの細胞がふたつに分裂している最中です。

染色体があらわれる

染色体が中央にならぶ

核が染色体に変化する

染色体が両側に
うごきはじめる

2つの核をつくり、
細胞が2つになる

2組の染色体が
はなれていく

2組の染色体が
新しい核をつくる

染色体が両側に
あつまる

体のしくみと細胞
からだの中のことを知っていますか?どんな臓器(ぞうき)がある?

写真をクリックすると
平成14年10月「人体のしくみ」にリンクします。

これらのいろいろな臓器も、骨や筋肉も、すべて細胞でできています。
臓器のみためがちがうのは、臓器をつくっている細胞の形や色、はたらきがちがうからです。

筋肉の細胞:のびちじみでき、力をだす
腸の細胞:栄養分を吸収する
骨の細胞:かたい物質をまわりに出して固まり、体をささえる
神経の細胞:情報をつたえる
ほかに、体に必要なものを作りだす、まわりのようすを感じる、などいろいろ

なぜこんなにちがう細胞ができている?
それは、細胞の核、染色体にふくまれる「遺伝子(いでんし)」によって、
ちがいをもった細胞がつくりだされているからです。
「人体のしくみ」紙模型をつくろう
@ 右の画像をクリックしすると大きく表示される。
A 厚めの紙にプリントアウトする。
B 台紙とA,B,Cの部分を切りはなす。
C A,B,Cの順に(うでの部分の裏にのりをぬって)台紙にはる。




ブロッコリーから遺伝子(DNA)をとりだしてみよう

ブロッコリーもDNAをもっています。とくに芽の部分は細胞がたくさん作られているところで、核もたくさんあり、DNAもたくさんふくまれています。このDNAをとりだしてみよう。
@ ブロッコリーの芽の部分をカッターでけずりとり、乳鉢に集める。
A 乳鉢のブロッコリーの芽を乳棒でよくすりつぶす。
 ※これは細胞をこわして、DNAを取りだしやすくするため。
B すりつぶしたものを薬さじで、DNA抽出液の入ったビーカーに入れる。
※ときどきまぜあわせながら10分おく。この間にDNAが液体にとけだす。
※DNA抽出液:食塩6g+台所用洗剤10ml+水100mlの割合
 DNAはこれによくとけ、他の物質はあまりとけない。
C 空のビーカーの上にティッシュペーパーを3枚かさねてくぼみをつくり、DNA抽出液を静かにそそぐ。
D とれた緑色の液体の上に、試験管の99%エタノールをガラス棒を伝わらせてゆっくりそそぐ。
※エタノールは緑の液とまざらないで上にたまる。
E 緑色の液体とエタノールのあいだにできた白っぽいもやもやとしたものがDNA。
F サンプル管に60%エタノール液をスポイトでいれ、DNAをピンセットでとる。

万能細胞ってなに?
11月に科学・医療分野でたいへん大きなニュースがありました。
 万能細胞:筋肉や神経、内臓や皮膚、その他体中の何にでもなれる、もとの細胞。
 病気やけがなどで失われた臓器の細胞のかわりに万能細胞がはたらけば、治るかもしれない。
これまではヒトの受精卵(将来赤ちゃんになる細胞)を使って
万能細胞を作っていた。
→ひとりの人になるはずの細胞を、研究や治療に使ってよいのか?という問題問題があった。

今回ヒトの皮膚の細胞から万能細胞がつくられた!
 ふつう皮膚の細胞からは、皮膚の細胞しかつくられない。
                  ↓
 皮膚の細胞に、いくつかの遺伝子を入れることで、
 別の種類の細胞になる万能細胞になった。

将来、病気やけがをしたとき、体のどこかの細胞をすこしとって万能細胞につくりかえて、それを傷んだところにあてがって、治すことができるようになるかもしれない。

ほかの人から移植すると自分の体にあわないことがあるが、もともと自分の細胞を使うのでこのようなことがない。

ただし治したい場所で、万能細胞が安全にはたらくことがたしかめられないと使えない。