電気の変身
電気の便利なところは、いろいろなエネルギーに姿を変えることができるからです。
電気エネルギーの”変身”について実験をとおして考えてみましょう。
○いろいろつないでみよう
   乾電池、手回し発電機、太陽電池を電源に、モーター、電子オルゴール、発光ダイオード、ブザー、豆電球などをつないで、動いたり、音が鳴ったり、光ることをたしかめました。実験は全部で14とおりもあり、にぎやかに取り組みました。
手回し発電機でモーターをまわす 乾電池で発光ダイオードを光らせる 太陽電池を窓辺に持っていって試す
手回し発電機は自分の力で電気がおこせて楽しいものですが、いきおいあまって強い電流を流し、豆電球やオルゴールを壊してしまうグループもありました。いろいろなものを自分で配線して試してみるのは、なかなかたいへんでしたが、楽しくできました。

○コンデンサー
はじめにコンデンサーにモーターやオルゴールをつないでも、何も起こりません。

でも乾電池や手回し発電機をつないで充電すると、今度はモーターなどを回すことができました。コンデンサーは簡単に電気をためることができ、電気製品のあちこちで使われています。
充電したコンデンサーでブザーを鳴らす

○ペルチェ素子
これがペルチェ素子
ペルチェ素子に電流を流すと、片面が熱く、もう片面は冷たくなります。電流によって温度の差ができるのです。
ペルチェ素子を両手ではさむ人、発電機を回す人の二人組で体験してみました。

電流を流すと熱い面と冷たい面ができるので、左右の手は不思議な感覚になります。
保冷剤と手のぬくもりでモーターを回す
さらにペルチェ素子のおもしろいのは、反対に素子の両面に温度差をつくれば電流が生じるところです。

ペルチェ素子の片側に保冷剤を押しつけ、反対側を手であたためると、モーターが回り始めました。
電流を流せば温度差が生じ、温度差を与えれば電流が生じる、おもしろい素材です。

○まとめ〜電気の変身〜
乾電池は化学物質から電気をとりだすもの、太陽電池は光を電気にかえるもの、発光ダイオードや豆電球は電気を光にかえるもの。そのほか今回のいろいろな実験はみんな、電気エネルギーと別のエネルギーとの変換を行うものでした。

電気を中心に多様なエネルギーとの変換について図示し、まとめておきました。「エネルギー」ということばは、日本語に訳語がありません。それだけ理解がむずかしい概念でもあり、今回は“電気の変身”という表現にとどめています。
それでも応用として、右図のような交差点で見かける交通標識について考えてみました。

これには太陽電池と発光ダイオードが使われていますが、昼間に太陽電池で作りだした電気が、夜間に発光ダイオードを光らせるためには、電気をためることも必要です。

この装置の地下にコンデンサーが使われているだろうことが、参加者のやりとりからあがってきました。
交差点に埋め込まれている装置

○モーターをつくってみよう
電気と磁石のくみあわせで、モーター(電気を力に変えるもの)ができます。とても簡単なモーターと、ちょっとむずかしいものの2種類をつくってみました。

簡単なモーターは、乾電池に磁石をつけたくぎをぶらさげ、電線でくぎに電流を流すだけです。上手にやるとくぎがくるくるまわります。むずかしいほうは、作り方のポイントを説明して材料を持ち帰ってもらいました。科学教室終了後も残って挑戦した参加者も多く、りっぱに回転するモーターができていました。
かんたなモーターを回す むずかしいほうのモーター みごとに回転しているモーター

音が鳴ったり光ったり動いたり、熱くなったり冷たくなったりと、耳や肌でも体感し、エネルギー変換の中核となる電気の特性に触れてもらえたかと思います。