化学変化を助けるもの
化学変化にも、簡単に反応するものと、なかなか反応しないものがあります。反応しにくい場合も、ある物質をくわえると反応がすすむことがあります。さまざまな場面で、化学反応を助ける物質が活躍しています。
  
 
最初に、1月28日の教育センター記念講演会の紹介をしました。市内在住に相馬芳枝先生のご講演「次代の科学者へ」の“次代の科学者”とは誰のことなのか考えてもらいました。

参加者は自分たちのことと気づくことで、講演会への興味・関心が高まればと思います。
○光を使って強力分解!
ガラス板の片方に二酸化チタンをぬっておき、赤インクをつけました。

もう片方にも赤インクをつけて、日光があたるところにしばらく置いて変化をみます。
ほかの実験を行って、科学教室の時間の終わりころに観察し、二酸化チタンの光触媒効果で赤インクの色がうすくなっていることを期待していたのですが、あいにくの曇り空のせいかあまり差がでませんでした。

日本で開発された光触媒は、建物や窓ガラスの自浄作用、防カビ・防菌などに利用されています。

○角砂糖をもやすには・・・
角砂糖にガスライターで火をつけてみても、すこしとけるだけで燃えません。

角砂糖にアルコールを吹きつけておいても、とけはするもののやはり燃えません。
ところが角砂糖に炭酸カリウムの粉末をのせて火をつけると、黒くこげて小さな炎をあげて燃えました。

炭酸カリウムが、角砂糖が燃えるのを助けるはたらきをしています。

○オキシドールから泡を出すには・・・
オキシドールにはたくさんの酸素が含まれています。

これに二酸化マンガンを少し加えると、シュワシュワと酸素の泡がでてきます。

線香の火を近づけると、炎をあげてもえることから、酸素が発生していることがわかります。
 
今回参加者が持ち寄った野菜くずを小さく切り、オキシドールに加えてみました。

二酸化マンガンのように盛んに泡ができるジャガイモのような野菜と、あまり反応がないハクサイなどがありました。

ジャガイモにはカタラーゼという物質があり、これが二酸化マンガンと同じようなはたらきをします。

今回は試験管にオキシドールを2mlずつ取り分ける作業があり、スポイトの使い方についてていねいに説明し、練習をかねて取り組みました。

○オブラートをとかすには・・・
オブラートはデンプンからできています。

オブラートのカップをさかさまにして、底の部分にジアスターゼをとかした液を1滴おとしてようすをみます。

しばらくするとカップの底に穴があきました。これはジアスターゼがオブラートをとかしたからです。
次は参加者がもってきた同じ野菜のひとかけらを、カップにのせてみました。

ジアスターゼを多く含むダイコンやニンジンは、カップに穴をあけることが観察できました。

○触媒(しょくばい)のはたらき
そのままではなかなか反応しない場合も、第3の物質がくわわると、反応がすすむことがあります。

この第3の物質を「触媒(しょくばい)」といいます。

触媒自体は変化せず、少しの量ではたらき、さまざまな物質を作ることに使われています。
またジアスターゼのように生物の体で作られ、使われている触媒のことを特に酵素といいますが、ヒトの体の中にも約3,000種類もの酵素があり、さまざまな化学反応を助けることで、生きることができています。
「銅、銀カルボニル触媒の発見と第三級カルボン酸の常温常圧合成法の研究(船底の塗料生産の省エネルギー化)」とか、「酸化銅、酸化亜鉛、酸化鉄、ゼオライト等の組み合わせにより活性の高い触媒を調製し、この触媒の存在下で、二酸化炭素を水素と反応させて、メタノール、メタン、プロパンガス、ガソリン等の燃料に変換する(二酸化炭素の再燃料化)」など、かなり難しい内容ですが紹介し、これらの研究が相馬先生の業績であることを最後に伝えました。

今回のテーマは相馬先生のご講演につながればと“触媒”について取りあげました。身近な自然現象に驚き、親しむ小学生にとって、科学的な業績はどこか遠いもののように感じられるかもしれません。ですが、同じ市内に業績を挙げた方がおられ、直にお話を聴く機会もあることで、平素の理科の授業内容や第2土曜科学教室で扱っている内容が、大きな科学的業績とつながっていると感じてもらえればと思います。