食べ物といろいろな薬品
おかしや食品にはいろいろな薬品がそえられています。また石けんや洗剤など、身のまわりにはいろいろなものが使われています。今回はこれらのはたらきを整理してみましょう。
○おかしや食品にそえられているもの
脱酸素剤、乾燥剤、保冷剤など参加者の持ってきたものをなかまわけしてみました。
酸素や水分、微生物のはたらきをおさえて、食品のおいしさを保つためにいろいろな薬品が使われています。
それぞれについて簡単な実験をしてみました。
◇脱酸素剤
脱酸素剤の袋を切り、なかみを出して観察しました。脱酸素剤は使い切りカイロとよく似た成分をしています。
ビーカーの底にカイロをはり、水そうの水にさかさまに置きました。
しばらくするとビーカーの内側の水位が上がってきました。水位があがったのはビーカーの中の空気が減ったためだとわかりますが、これはカイロがビーカーの中の酸素を吸収したためです。
よってビーカーにろうそくの火を入れると、一瞬で火が消えてしまいました。脱酸素剤も同じように酸素を吸収するので、場合によってはすこし温かくなることがあります。

◇乾燥剤
シリカゲルを試験管に少し取り出し試験管を加熱すると、試験管の内側がくもり、水滴があらわれました。
これはシリカゲルが吸収していた水分があらわれたためです。
あまったシリカゲルをシャーレにとり水を加えると、シリカゲルがパチパチ音を立ててはじけました。
たくさんの水を吸収して破裂してしまうためです。
石灰の乾燥剤も試験管に入れて加熱すると、シリカゲルと同じように水滴があらわれました。

残りの石灰に水を加えてろ過し、試験管にとってはく息をいれてふると白くにごりました。実は石灰水ができていたのです。

◇保冷剤
保冷剤のなかみをビーカーに出して観察してみました。
透明なゼリーのようなものでした。
シャーレに入れた高分子吸収樹脂(吸水ポリマー)の粉末に水を少しずつ加えてみます。
水をよく吸い込むので、どんどん水を足していくとかなりふくれあがり、保冷剤と同じようなものになります。
実は保冷剤の主成分は水で、同じような高分子吸収樹脂が使われています。
参加者が作ったものをチャック付きの袋に入れてセロハンテープで口をふさぎ、「手作り保冷剤」として持ち帰りました。

○洗ってきれいにするということは?
食器などを洗うとき、水ではがせるよごれ(泥、金属粉など)や水にとけるよごれ(塩、砂糖など)は洗い流せますが、水になじまない油よごれは、水だけではきれいに洗えません。
このとき台所用液体洗剤を使えば、油よごれも洗えるようになります。
水中でガラス板につけた油に洗剤(界面活性剤)を注ぐと、油がはがれて浮かびあがる様子を観察しました。
また、インターネット上の教材を使って、界面活性剤の構造やはたらきをまとめました。
界面活性剤は水になじむ部分と油になじむ部分の両方をもつ物質で、反発する水と油の仲立ちをします。

○界面活性剤のはたらき
最後に各自で界面活性剤のはたらきを確認しました。試験管に水と油を入れ、まずふりまぜて観察します。水と油はまぜてもすぐに分離します。
次に界面活性剤(台所用液体洗剤)を加えて、またふりまぜてみると、今度は分離しないことがわかります。
顕微鏡で観察すると、油が小さな粒になって、水にまざっていることがわかります。

これらの薬品は、生活にとても便利なものですが、人間が作り出すまでは自然界になかったものです。自然界にたれ流さずちゃんと処理をすることや、自然の力で分解されるものを開発するなど、地球のことを考えてあつかうことが大切です。身近な薬品と環境の問題をつなげて、今回の科学教室のまとめとしました。