プラスチックをつくってみよう
身のまわりにたくさんあるプラスチック(合成樹脂や合成繊維)について、いろいろな実験・工作をとおして考えてみよう。
○かんたんスーパーボール
洗濯のりをビーカーにとり、食塩を加えて竹ぐしでかきまぜると、「えー?」と歓声が上がります。竹ぐしに何やらかたまりがついており、これを水道水で洗い、まるい形にするとスーパーボールのできあがり。どろどろの洗濯のりが、あっというまに机の上ではずむものに変わります。
@ 50nlビーカーに洗濯のり(PVAのり)を25ml入れる。
A これにえのぐをすこし(米粒くらい)入れて、竹ぐしでよくかきまぜる
B 食塩を薬さじで大さじ2はい加えて、竹ぐしでしっかりかきまぜる
洗濯のりはどのように変化するだろうか?
C ビーカーごと水道水で洗い、竹ぐしからとりはずして手でまるめる。
D ティッシュペーパーでよぶんな水分をとる。
これは洗濯のりの水分を食塩がうばい、主成分のPBA(ポリビニルアルコール)が固まってボールのようになるからです。簡単にできるので、家でもためすことができます。
洗濯のりと塩でできています。かわくとかたくなり、塩がふき出てきます。

ラップでつつみ、かわくのをふせぐと長持ちしますが、もともと、つくりたてが一番よくはずみます。

かんたんに作れるので、お家でもためしてみてください。

ただし、バウンドさせたとこと(ぬれたところ)は、かわくと塩がでてきます。よくふいておこう。

○本格的スーパーボール
洗濯のりのかわりにラテックスゴムをビーカーにとり、えのぐで着色します。これにクエン酸を加えると、今度も「えー?!」、竹ぐしに大きなかたまりができています。これも水道水で洗ってまるめると、さっきよりよくはずむスーパーボールになりました。しばらく机や床ではずませて遊びました。
@ 水でうすめたラテックスを50nlビーカー(小)に25mlとる これにえのぐを入れてよくかきまぜてとかす。
A クエン酸水溶液を100mlビーカー(中)に25mlとる。
B ラテックスを竹ぐしでかきまぜながら、クエン酸を入れる。
C 竹ぐしについたものを、ビーカーごと水道水で洗う。
D 手で竹ぐしからはずし、水道水で洗いながら、形をまるくする。このとき水をしぼりだすようにするとよい(水しぶきに注意)。
アンモニアでアルカリ性の状態にあるラテックスは水に溶けていますが、クエン酸で中和すると固まります。水分をしぼりだすと、けっこうはずむボールになります。
すっかりかわくまで、ティッシュなどで水気をとるとよいでしょう。

これもだんだんもろくなっていきます。本物のスーパーボールが長持ちするのは、ゴムのほかに、いろいろな物質を加えているからです。

○6.6ナイロン
合成繊維のうち、歴史の古いナイロンを合成しました。

ナイロンの原料となる2薬品を溶かした2種類の液体が2層に分離するように、慎重にビーカーに注ぎます。よく見ると2つの層の境界には膜ができています。
これをピンセットでつまんで引き揚げると、次から次から糸状のものが出てきます。ペットボトルに巻き取っていくと何mにもなります。
@ 大きいびんには、水に水酸化ナトリウムとヘキサメチレンジアミンという薬品がとけています。
 小さいびんには、ヘキサンという液体にアジピン酸ジクロリドという物質がとけています。
A まず大きいびんのなかみを、50mlのビーカーにいれる。
B ガラス棒につたわらせて、小さいびんの液体をそっとびんに入れる。
ここで2種類の液体はまじりあわずに上下に分かれる。(まぜないこと!)
C そっとビーカーをもちあげて、上下のさかいめを観察しよう。
D ピンセットで、さかいめにできた膜(まく)のまんなかをつまみ、もちあげる。
E これをペットボトルにまきつけ、ボトルをまわして糸がなくなるまでまきとる。
F ペットボトルにまきつけたまま、糸に水道水をじゅうぶんかけてあらう。
G できあがり。
2層の境界にできたナイロン膜を引き上げることで、新たに境界で膜が合成され、連続してナイロン糸をとりだすことができるわけですが、こつをつかむと長い糸を巻き取ることができ、とても印象的な実験です。
かわくともろくなり、こなごなになります。

水でぬらすとナイロンらしいてざわりになります。

実際にはとても細い糸をたくさんよりあわせてナイロン糸にしており、これで布地をつくっています。

○やわらか・かたいプラスチック
フタル酸とエチレングリコールという2種類の薬品をまぜあわせ、数日間100℃以上の温度で加熱しました。
(これにより、ポリエチレンフタレートというプラスチックができました。)
材料の2種類の薬品 長時間、加熱する

冷え固まったところ
熱いと液状になり、冷えると固まる性質をもっており、型に流し込んで冷やすと、型どおりの形状になります。
これを割りくだいて水に入れ、加熱すると、柔らかくなると同時に水が入りこんで、もとのプラスチックとは別の性質になります。

ビーカーに水道水を注いで冷やすとどんなものができているだろう?
手に取ると体温程度では粘土のように柔らかく、引っ張ると絹のような光沢でチューイングガムのように延びます。

ところが落としたり一瞬に力を加えると、割れたり砕けたりします。

でも、割れたものを手でまとめるとまた粘土のようにひとつになります。

ゆっくり力を加えると曲がり、急に力を加えると割れる、柔らかい性質と硬い(もろい)性質の両面を持っています。

油性マジックで着色することもでき、フィルムケースに入れて持ち帰りました。
うっかり服のポケットやじゅうたんにおいておくと、たいへんなことになります。(接着剤のようにとれなくなります。)

フィルムケースの中でかたまって取り出せなくなったら、冷凍庫でひやしたあお、勢いよく出せばとりだせます。

このプラスチックも乾いてくると、かたく透明になり、粘土のような性質がなくなっていきます。ぬらした手でねって、水分を補給してやるとすこし長持ちします。

今回4つの化学変化で4回歓声があがりました。材料からは見て予想外の物質ができるのがプラスチック(化学合成)のおもしろいところです。
みのまわりにさまざまなプラスチックがありますが、このような工程でから作られていることが想像されたでしょうか。