水蒸気のはたらき
水を加熱したら水蒸気。水蒸気の性質を使ってできることを、実験で考えてみましょう。
○ガスバーナーの使い方
   小学校ではあまり使いませんが、科学教室ではガスバーナーをよく使います。書画カメラで使い方を説明し、1人ずつ火をつけてみました。はじめてガスバーナーを使った参加者も、上手にできました。

○塩水から真水をつくる
 水と塩をまぜて塩水をつくったあと、もとの塩と水にわけるにはどうすればいいでしょう?「ろ過する!」「温める!」いろいろな意見が出されました。ガスバーナーで塩水を加熱したら、水が蒸発して塩が残ります。では水(真水)はどうすれば取り出せますか?  
 ここでフラスコ(丸底フラスコ)が登場します。蒸発した水蒸気を導きだして、冷やすことでもういちど水にもどすわけです。(これを蒸留といいます。)プリントの図や先生のお手本を見ながら、グループごとに蒸留のための実験装置組み立てました。

○水蒸気でマッチに火をつける
 フラスコの中の水は100℃まで温度が上がりますが、水蒸気を加熱するともっと熱くなります。
 水蒸気を鉄製のパイプにとおし、さらにガスバーナーで加熱すると勢いよく水蒸気が吹き出しました。

 近づけた紙がこげ、マッチには火がつきました。
フラスコから出る水蒸気を
鉄パイプを曲げたところに通し、
そこをもうひとつのガスバーナーで
強く加熱しています。

これで100℃をはるかに上回る
熱い水蒸気がつくられます。

○水蒸気で電気をつくる
 水をガスバーナーで加熱し、吹き出る水蒸気の勢いで、羽根車が回りました。この羽根車を回す力で電気をおこしているのが火力発電所です。

○水蒸気でショウノウをとりだす
 むかし、衣類の防虫剤としてショウノウ(樟脳)が使われていました。これはクスノキ(楠)の葉から取り出せます。この日練習したガスバーナーと、組み立てた蒸留装置を使ってグループごとに挑戦しました。
1.  クスノキの葉には独特の香りがあります。葉をちぎると香りが強くなります。これはショウノウの香りで、衣類につく虫がいやがるものです。

 クスノキの葉を小さくちぎって、フラスコの中にいれました。
2.  フラスコに水も入れ、ガスバーナーで加熱します。

 フラスコから出てくる水蒸気はゴム管をとおって、試験管に導きます。試験管は水そうの水で冷やすようにしています。
3.  試験管には蒸留によって水がたまってきますが、同時に白いろうのようなものもあらわれます。これがショウノウです。薬さじでかき集めて、香りを確認します。
 たくさんの葉っぱに含まれていたショウノウを、一か所に集めているので、強烈な香りです。

 ショウノウは水蒸気といっしょに蒸発し、ゴム管の中をとおって試験管にうつり、冷やされてあらわれたのです。
4.  取り出したショウノウを、スチロールトレイを切った舟につけて、水そうに浮かべると、舟がすーっと動きます。昔の子どものあそびのひとつです。

 今回も参加希望が多く、午前・午後の2回実施しました。ショウノウの水蒸気蒸留はかなり複雑な実験ですが、ガスバーナーの練習、実験装置の組み立てと、順を追って行うことで、どのグループもショウノウを取り出すことができました。
 ショウノウの防虫効果も、日本が過去の一時期輸出高世界一だったことも知る参加者はなく、時代の流れを感じますが、街で身近にあるクスノキから、こんなものができることを、楽しんでもらえたと思います。