子どもと保護者の科学教室
わたしたちと水
〜生活にきりはなせない水のいろいろな性質を探ろう〜
○水の性質
今回の子どもと保護者の科学教室では、水の基本的な性質をとりあげました。

まずは氷水の温度0℃を確認し、沸騰する温度が100℃であることを確かめます。 ガスバーナーの使い方から練習し、どのテーブルでも楽しく観察がすすみました。
水の融点・沸点を0℃、100℃と定めることで、温度の尺度ができたこと、1mlの体積の質量を1gとしたことなど、水という物質が科学的にも標準的なものであることに注目してもらえました。
沸騰したフラスコの水は水蒸気となって、内部の空気を追い出しています。
ここにゴム風船をかぶせて火を止めると、水蒸気が冷えて水にもどって体積が小さくなり、ゴム風船がフラスコの中にふくらんで(へっこんで)いきます。
氷がとける間に水とエチルアルコールをまぜる実験を行いました。

両者をまぜた体積はもともとの体積の和より少なくなります。このことから液体の水、アルコールが大きさのちがう粒子(分子)からできていることが推察されます。
水が目に見えない小さな粒子の集まりだと考えると、氷・水・水蒸気の状態変化が、熱による粒子の運動で説明できるようになります。モデルや電子黒板を使って解説し、午後の水に関わる化学変化につなげました。

各参加者には自宅付近から水を採取してきてもらいました。それぞれについて簡易パックテストによる水質検査やBTB溶液を使った酸性・アルカリ性について調べました。

用水路や川、池から持ち寄られた水は、COD、りん、窒素化合物、硝酸・亜硝酸化合物などについて、薬剤の色の変化で判定します。汚れた水、きれいな水が簡単に調べられました。

また、BTB溶液は学校の理科でもよく使われるものですが、黄色(酸性)、中性(中性)、アルカリ性(青色)が簡単に色の変化でわかります。塩酸と水酸化ナトリウムを混ぜ合わせて中性を作るのに苦労して、できあがったときは歓声があがっていました。

○水をつくる
水素と酸素を反応させると(燃焼させると)水ができます。この実験をビニール袋に少量で行っても、大きな爆発音と熱を伴うので、参加者はかなりびっくりしたようです。
うまく実験できるとビニール袋に水滴が見つかります。
続いて各テーブルごとにマグネシウムと希塩酸の反応で水素を発生させ、試験管で小規模な爆発を体験しました。こわごわ火を近づけると一瞬軽い音をたてる反応ですが、水素を身近に感じられたかと思います。
水素がたいへん爆発しやすい物質であることを体験してもらったあとに、福島県の原子力発電所・原子炉建屋の事故のことにも触れ、今後のエネルギー源として研究開発されていることと、取り扱いには注意しなければいけないことを押さえておきました。
実験のあと、水素分子と酸素分子から水分子ができるモデルを示し、発泡スチロール球で模型をつくりました。先ほどの爆発がこのようなしくみの化学変化であることを理解してもらい、原子・分子の世界への入門としました。
またインターネット上のデジタル教材も提示し、物質の状態変化や水素・酸素・水の化学変化について理解を深めました。

○わたしたちと水
水ができる化学反応を発展させ、シャープペンシルの芯を電極にした水の電気分解と、電極についた水素と酸素の泡から発電させ電子オルゴールを鳴らす実験を行いました。

電池をつなぐと水が水素と酸素にわかれること、酸素より水素のほうが発生する泡の量が多いことを観察し、水分子が水素と酸素分子にもどることを推察します。
また電池を電子オルゴールにつなぎかえると、水素と酸素の泡が減り電流がおこります。これを燃料電池といい、将来的に二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギー装置として研究開発されていることを伝えました。今の児童が大人になるころには燃料電池が普及し、身近なものになっているかもしれません。
最後に宇宙空間の水素、酸素、水の存在や、地球上の淡水の比率など、ありふれているとは言え、日本がきれいな水に恵まれた風土であることを伝えて、今回の科学教室のまとめとしました。今回も大勢の参加があり、一日楽しんでもらえたかと思います。