今週1 週間は、朝読の時間は本を読みません。「書き取り学習」を行います。5 分間集中して、お手本の文章をていねいに書き写します。お手本の文章を正しくていねいに書き写していく学習を「視写」ともいいます。仏教ではお坊さんが経典(お経)を書き写す作業を「写経」といって、仏教の教えを学ぶための修行の1つになっています。また、江戸時代の寺子屋で教えられた「読み・書き・そろばん」の「書き」は「視写」の形ですすめられていました。このように、日本では古くから「視写」が行われており、近頃、「視写」の学習効果が再評価されています。文部科学省は、この「視写」の取り組みに次の5 つの効果があるとしています。
1.集中力をつける。
2.字が上手になる。
3.文章表現の技法を覚える。
4.表記のルールを覚える。
5.暗唱(あんしょう)や記憶に役立つ。
字を「上手」に書けるようになるには、たくさんの練習が必要ですしセンスも問われるので、すぐにどうにかなるものではありません。しかし、字を「ていねい」に書くのは、意識の問題なので、今すぐにでもできます。 字をていねいに書くことを習慣づけられたら、授業に集中して臨むことができるし、ノートや授業プリントを使っての復習がしやすくなります。また、書き間違いや読み間違いが減り、計算間違いも減らすことができます。テストの採点でも、読めない字だからといって×にされることもなくなります。次に早く書き写すことを意識していきましょう。書く作業が速くなればその分、授業やテストに余裕を持って取り組むことができるようになります。ただし、「速く」を意識しすぎて「ていねい」の意識がうすれると、間違いのもとになります。「ていねい」と「速く」のバランスの取り方が大切です。中学生なら、5 分間で175 字以上を「ていねい」に書けるようにめざしていきましょう。(教育課程・評価だよりNo,5より)