2016/12/20 | 制服改革に至る経緯 | | by 西陵中 |
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【制服改革に至る経緯】
平成28年4月に障害者差別解消法が施行されて、学校現場ではもとより、企業や公共施設などでも障害のある方々に「合理的配慮」を義務付けられるようになった。それ以前から、学校現場では自分の「性」に違和感を持っていて(今ではL.G.B.Tと言われている)、学校で定められた制服を着るのが嫌で「不登校」となってしまう事例が多く報告されている。どの中学校でも、このような課題をかかえた生徒の指導には困難をしており、効果的な指導はあまり見当たらなかった。学校によっては、自分の「性」と反対の制服を着用して登校していたり、体操服やジャージで登校させたりしている学校もあると聞いたことがある。かつては、西陵中学校でもそのような生徒が在籍し、結局うまく指導ができないまま卒業をさせてしまったという悔しい思いを教員たちはしたことがあると聞いている。
そんな中で、茨木市内でこのL.G.B.Tの課題に「制服着用」という点でスムーズな対応ができている学校があった。その学校は、ブレザー型の制服に十数年前に変えていた学校であった。この学校では、男女ともL.G.B.Tの課題があるなしに関係なく、スカートとスラックスを選んで購入できるシステムを作っていた。今、町に眼をやると、ブレザーにスラックスを着用している女性が普通にたくさんおられる。この組み合わせは何ら問題もなく、不自然でもない着こなしとなっている。学校現場でもこういうことがあってもよいのではないかということで、この学校では校則を変えてこのような対応を取るようになった。その結果、何の混乱もなくスムーズに女子生徒がスラックスをはいている場面が見られるとのこと。もっとも、女子生徒の中には、冬の防寒のためにスラックスをはいているという生徒もいるとのこと。男子生徒でスカートをはいている生徒はまだこの学校ではいないとのことである。
こういった状況を受けて、今後本校にこういう課題のある生徒が入学して来ても、スムーズな対応ができ、その生徒も楽しく中学校生活を送ってもらうためにも、40期生の入学を節目に思い切った学校改革が必要であると判断し、制服の改革に着手した次第である。