13.幼稚園教育
(1)幼稚園教育について
 本市の市立幼稚園14園と私立幼稚園12園では、幼児の発達を促すためにつくり出された適切な教育環境のもとで、それぞれの時期にふさわしい充実した生活を営み、発達に必要な活動を無理なく得させていける計画的な教育を推進し、近年の核家族化・少子高齢化や都市化・高度情報通信化にともなう社会状況の著しい変化の中で幼児教育の在り方を求めて改訂された新幼稚園教育要領に基づいて、保護者のニーズに応えながら時代に即した幼稚園教育の実践に努めているところである。
  幼児の発達は家庭・地域社会そして幼稚園と連続的に営まれていく生活の中で積み重ねていく様々な経験や体験によって促されるが、特に、教師や大勢の友達とともに生活し、発達に必要な活動を積み重ねていく幼稚園教育に、大きな期待がよせられている。
  また、幼稚園生活の中で“遊び”を十分に確保することが何よりも必要で、それは、遊びにおいて幼児が主体的な力を発揮し、生きる力の基礎ともいうべき「生きる喜び」を味わうことを経験できるからである。幼児は能動的に対象にかかわって自己表出し、そして、そこから外の世界に対する好奇心を育み、探索したり、知識を蓄えるための基礎を形成していく。
 このようなことが、幼稚園教育の大きな役割であり、各幼稚園では、教師との信頼関係を基に幼児の特性をふまえ、幼児が身近な環境に働きかけ、教師とともに創りあげていく創造的な教育を求め、下記の点を教育内容の重点として研究・実践を進めている。
・幼児が自分の願いや期待をもって活動に取り組めるような、幼児期に ふさわしい生活が展開されるようにする。
・遊びを中心とした生活を通して、幼稚園修了までに育つ「生きる力」 の基礎となる心情・意欲・態度などが身に付
 くようにする。
・自我が芽生え、他者の存在を意識し、自己を抑制しようとする気持ち が生まれる幼児期の成長の特性をふま
 え、発達に応じた指導を行うよ うにする。
・教師は、幼児の良さや可能性を生かすため、計画的に環境を構成し、 活動の場面に応じて様々な役割を果た
 しながら一人一人が、豊かな活動となるようにする。
・幼稚園の基本を生かす中で、子育て支援機能を活用し、「親と子が育つ 場」として地域の幼児教育のセンター的
 な役割を発揮する。
   
(2)市立幼稚園教育について
 市立幼稚園では、豊かな体験と生きる力の基礎を培うため、幼児の心身の発達特徴を理解し、地域の実態、保護者の願いを考慮しながら、14幼稚園が創意工夫し、独自の教育課程を編成している。
 遊びを中心とした生活を通して、一人ひとりに応じた総合的な指導を行い、集団との関わりの中で、自己発揮できるよう教育にあたっている。
 また、幼児が互いの人権を尊重しあえる人間として、また、思いやりと協調性に富み、相手の痛みを共感できる人間として成長するために、幼児一人一人の人格が尊重される集団の中で、幼児と教師、あるいは幼児同士が温かい人間関係を結んでいけるよう、教師はつねに幼児の精神的な拠り所やモデルとしての役割を考え、教職員全員が協力して創意工夫のある教育実践を行っている。
 幼稚園時代に思い切り遊ぶことは、その後の学びや創造性が豊かに育つといわれている。子どもにとって意味のある「遊び」は子どもをただ放っておいてもなかなかうまれてこない。
 そこで、幼稚園では、教師があらかじめ、子どもの発達に必要な経験を見通して、綿密な指導計画を立て、継続的な遊びが行えるよう努力している。
 幼稚園の様々な遊びを通して、うまく人と関われるようになったり、言葉が豊かになったり、自然の美しさや不思議さなどに気づいたりできるようになるなど、幼児期にふさわしい教育が推進されている。また、幼稚園 から小学校への総合的な指導の流れが一貫したものとなり、幼稚園教育が小学校以降の生活や学習の基盤となるよう幼稚園と小学校がお互いの教育の在り方について理解し、幼・小連携を図るよう努めている。
                                                                                  
(3)市立幼稚園における教育研究について
 日々の保育の中で、教師は一人ひとりの幼児に応じた指導を行わなければならないことは、幼稚園教師の専門性として何よりも大切である。幼稚園での教師との出会いは、その後の幼児の成長・発達に大きな影響を及ぼすものである。   
 そのことをふまえ、本市教育委員会は、教師自らの資質と人格向上、専門的知識と実践的指導力の向上を図るための年間計画に基づいた教員研修を実施し、さらに、各幼稚園で定期的に園内研修を計画したうえ、努力目標の達成に向けて実践・努力している。
 また、市立幼稚園園長会では、時代の変化に対応した幼児教育の在り方を求め、
   @“保・幼・小の連携を考える”
    〜就学前教育から学校教育へのスムーズな移行〜
   A“幼稚園教育を見直す”    
    〜行事や園生活等を根幹から見直し、園評価について考える〜
   B“特色ある幼稚園教育を考える”  
    〜親支援・親教育から親子の育ちについて考える〜
を、テーマに幼稚園教育の課題について研究協議を行っている。  
 さらに、本市教育研究会幼稚園部において、部員それぞれが4部会に分かれ、下記のテーマで研究・実践に取り組んでいる。   
   幼稚園第1部会 「自分の思いを生き生きと表現するには」
   幼稚園第2部会 「子どもの興味や関心を引き出す環境とは」
   幼稚園第3部会 「幼児理解と教師の役割」
   幼稚園第4部会 「幼児の感性を豊かにするには」
           
年長・年少組が一緒に

近くの田んぼにお花摘み。

”小さなお花みーっつけた!”

(北 幼稚園)
    
春のミニ運動会

”みんなで エイエイオー!!

うんどうかい がんばるぞ!”

(太田幼稚園)

ままごとあそび

お弁当もって ピクニック

”みんなで いただきまーす!”

(北辰幼稚園)

生活発表会で劇あそび

かわいいアヒルさんが登場し、

”すてきなはねをパタパタパタ!!”

(西 幼稚園)
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