大阪中学校駅伝(11/15 長居第二競技場発着〜長居公園周回コース)RESULTS

優勝校が全国駅伝へ 5位までのチームが近畿駅伝へ 10位までのチームが来年度の大阪中学校駅伝のシード校になる。

<男子>上段は区間記録と区間順位、下段は通過記録と通過順位 出場73チーム

 

1区(4.7q)

2区(3.3q)

3区(3.3q)

4区(3.3q)

5区(3.3q)

6区(3.3q)

21.2q

東 雲

松 本

和 泉

岡 本

越 智

紀 伊

1時間09分53秒    

4位

15:17

10:22

10:33

11:1010

11:03

11:2823

 

25:39

36:12

47:22

58:25

69:53

<総合順位> 

1位 貝塚四 1時間08分27秒 2位 東陽 1時間08分34秒 3位 浜寺南 1時間09分53秒 

4位 東雲 1時間09分53秒 5位 石切 1時間10分08秒 6位 信太 1時間10分16秒 

7位 楠葉 1時間11分17秒 8位 弥刀 1時間11分28秒 9位 豊中十七 1時間11分35秒 

10位 豊中三 1時間11分52秒 11位 友渕 1時間12分03秒 12位 田尻 1時間12分06秒 

13位 吹田一 1時間12分09秒 14位 住吉一 1時間12分10秒 15位 中野 1時間12分43秒

                                   

<女子>上段は区間記録と区間順位、下段は通過記録と通過順位 出場73チーム

 

1区(3.5q)

2区(1.5q)

3区(2.8q)

4区(1.8q)

5区(3.3q)

12.9q

東 雲

川 添

松 永

冨 賀 見

西 岸

行 正

48分18秒  

11位

13:1124

 5:2712

10:16

 6:40

12:4416

 

18:3820

28:5411

35:3411

48:1811

<総合順位> 

1位 浜寺南 46分02秒 2位 豊中三 46分42秒 3位 島本一 47分14秒 

4位 住吉一 47分31秒 5位 富田林藤陽 47分47秒 6位 貝塚四 47分53秒 

7位 東陽 47分55秒 8位 千里丘 47分59秒 9位 西陵 48分02秒 10位 石尾 48分05秒 

11位 東雲 48分18秒 12位 吹田一 48分19秒 13位 豊中十四 48分24秒 

14位 河南 48分48秒 15位 泉が丘東 49分07秒

 

男子3区でトップに立つも2連覇ならず、

4位で2年連続の近畿大会出場を決める!     

 前日までの天気予報が曇りやら雨やらめまぐるしく変わり、結局は10月並みの暑さとなった今大会。大阪日日新聞の当日朝の予想記事では、3000m9分台を9人そろえる貝塚四中、3000mの平均タイムで層の厚さを誇る泉大津東陽中、そして走力はやや劣るが前年度優勝チームの東雲が優勝争いをするという下馬評になっている。開会式では選手を代表して日野が「中学生らしく、最後まで粘り強くたすきをつなぐことを誓います。」と、堂々と選手宣誓をおこなう。2年連続全国駅伝出場を狙う男子は朝7時の阪急茨木市駅集合のときから、独特の緊張感があった。この重苦しさは去年も経験済みとはいえ、昨年実際にレースを走ったのは松本と和泉だけである。白状すると、顧問もプレッシャーとの戦いは選手と同じで、競技場に着いてからも、正直胸が苦しくなった。でも、毎年のようにこの緊張感が味わえるというのは、指導者冥利につきるのだと自分に言い聞かせ、スタートの号砲を待ったのである。

10時30分、運命のピストルがなって、昨年度10位以内のシード校と、各地区の予選会を勝ち抜いた計73チームがきれいなスタートを切って、ひとまず胸をなでおろした。「スタート直後の接触による転倒には細心の注意を払え」と、レース前の松本に指示していた。ゼッケンナンバー1番をつけた松本は最前列中央からのスタートということもあり、最初の100mで先頭集団の好位置につけた。するすると前に出たのが田尻中のU選手。この夏の全日中で3000mに出場したただひとりの選手。もちろん、3000m9分00秒55はダントツのランキング1位である。1区は「花の1区」と形容されるように、各チームのエースが勢ぞろいする激戦区になる。2区から6区までは3.3qの距離であるが、1区だけは最長の4.7qもある。先行逃げ切りが駅伝の鉄則であることもあり、1区走者をつとめる選手の重圧は相当なものとなる。競技場を3周と4分の3を走ってから公園内周回路に出るのだが、途中の1000mをU選手が2分54秒のハイペースで通過。松本も3分ちょうどくらいで通過したので、松本のペースも速い。暑さが気になっていたので、祈るような思いでマラソンゲートから出ていく集団を見つめた。「依然として、田尻の馬野くんが先頭を走っています。」と、先導車からレースの模様が伝えられた情報が競技場内でアナウンスされる。やがて、まっさきにマラソンゲートに現れたのが馬野、そのすぐ後ろに東陽の米田、その2〜3人あとぐらいに松本が流れこんできた。競技場バックストレートに入って、松本が得意のラストスパートをかける。どんどん先頭の馬野との差がつまる。大声援の中、田尻の馬野が15分08秒で区間賞。4秒差で東陽、そのあと5秒差で松本が3位でたすきリレー。優勝候補筆頭の貝塚四が松本から4秒差の5位で続く。

松本からたすきをもらった和泉は昨年よりも落ち着いた雰囲気で、公園内周回路に出ていく。「2区の走者が公園内周回コースに出て、〜付近で先頭に出たのが東陽中学。その20m後方にさらに東雲中学がつけたもようです。」と、途中経過のアナウンス。東雲のオーダーは完全に先行逃げ切り型、3区の岡本までに先頭に出ることが優勝のための絶対条件であることは、選手自身もよくわかっていることだ。マラソンゲートの向こうに先導車がゆっくりと停車するのが見えた。そのあとに先頭に赤いチームカラーの東陽が飛こんできた。そしてブルーが基調の東雲のユニフォーム。和泉がここから猛チャージ。バックストレート付近で、大きなストライドでぐんぐん前の選手に迫っていく。トップの東陽と3秒差で和泉から岡本へたすきが渡る。和泉は10分22秒の記録で東雲史上初の区間賞に輝いたのである。

岡本はたすきをもらうと速いピッチで追いかけて、マラソンゲートを出るころには東陽の選手と肩を並べていた。そこから、公園内の2.8qの周回路を並走する。全国をかけてまさしく意地と意地のぶつかりあい、先導車を夢先案内人に見立てるかのごとく必死で前を見る。大歓声に引きつられて2人が並んで競技場に帰ってきた。前に出る岡本。このときメインスタンド中央に陣取った東雲の保護者を中心とする、大応援団からひときわ大きい歓声が起こる。1mでも10cmでもいいから、とにかく前に出なければならないという彼の使命感が、疲労困憊の体にムチをいれる。大きく手をあげて、声援を送る4区の越智。倒れこむように岡本が越智にたすきを渡す。そのすぐあとに1秒差で東陽。3位がさらに離れて貝塚四で24秒差。4位以下の学校は競技場にまだ現れない展開となった。

マラソンゲートを出てから、越智と東陽の選手がまた肩を並べる。「ここで後ろに下がるわけにはいかない。」越智はオーバーペース覚悟でピッチを刻む。沿道には「夢輝け!大阪東雲中」のライトブルーののぼりを持ったたくさんの陸上部員たちが熱い声援を送る。2人がデッドヒートを繰り広げているあいだに駅伝の神様はもうひとつのドラマを用意していたのだ。3位の貝塚四の選手が区間新記録に迫るハイペースで、猛烈な追いこみを見せたのであった。中間点を過ぎるあたりで、東陽が越智を引き離しにかかり、さらに貝塚四が越智に追いつきすぐに追い越すと、何と東陽の選手も射程圏にいれたのだ。競技場手前で大逆転すると、そのまま1位で貝塚四が5区に中継。7秒差で東陽。そして越智があえぎながら東にたすきを中継したのは、その東陽に遅れること21秒差。頭を抱え込んで両膝をついてしゃがみこむ越智。越智はこの区間を11分10秒。設定タイムより15秒遅く、優勝争いから一歩後退することになってしまったが、この展開では越智を責めることはできない。むしろ、彼の勇気を讃えるべきであろう。

5区の東は左手のひじから手首にかけてギブスをしている。10日ほど前に骨折をしたのだ。そのことで、弱気にならないように、本人ともよく話し合っている。彼は前を見て積極的な走りを見せたのだが、目標とする前の2人の背中はなかなか大きくならない。この区間では今度は東陽が再逆転。3秒差で貝塚四。東雲はさらにやや差が開いて32秒差の3位。アンカーの紀伊にたすきが渡った。

紀伊はチームで6番目の選手。3000mで10分を切ったことはないが、いつもかげひなたなく努力を重ねてきた堅実な選手である。今まで経験したことがないくらいの大きなプレッシャーが彼を襲い、レースが始まってからも逃げ出したくなるくらいに感じた場面もあることでしょう。ひとりでシートに座りプレッシャーと戦う紀伊の姿をたまたま見たときは、自分の胸が張り裂けそうになるくらいでした。5人の汗と思いがしみこんだたすきを肩にかけて、オーバーペースにならないように注意しながら走る紀伊。前の2人の背中が小さくなり、やがて背後から4位を走っている浜寺南の選手が区間賞なみのハイペースで追い上げてきていることに気づかないまま、ひとりで彼は周回コースを走っていたのだ。

 第59回大阪中学校駅伝。この歴史のある大会の中でも、激戦という意味では強く印象に残る大会のひとつとなったのではないか。1区からすべての区間でトップが入れ替わり、最後は貝塚四と東陽のキャプテン同士のアンカー対決は、競技場に入ってからも決定的な差がつかず、7秒差で逃げ切った貝塚四が27年ぶり2度目の優勝を飾り、全国中学校駅伝初出場を決めた。3位争いも熾烈で、競技場手前で一度抜かれた紀伊がバックストレートでスパート。その差をぐんぐん縮め、ラスト30mで一度は抜き返しそのまま2人が倒れこむようにフィニッシュ。同タイム着差ありで、東雲は4位に敗れた。

 1年前に歓喜の胴上げでわいた東雲ベンチも、今年は言葉なく静まり返る。シートの上でベンチコートをすっぽりかぶり、うずくまる選手たち。のぼりを片手にして片付けることもできずに、ぼう然と立ち尽くす1年生の長距離部員たち。夢は大きくなればなるほど、夢破れたときの辛さも大きくなるものである。この悔しさをバネに、もう一度夢にチャレンジしたい。たすきはつなぐものではなく、たくすものかも知れない。選手たちの思いがつまったたすきが絆となって、来年も再来年も夢を叶える挑戦が受け継がれていくことでしょう。夢のかけらを見つめた1,2年生が、夢を輝かすためにひとまわり大きくなって日々の練習に精進するはずだ。もちろん、3年生部員の夢も果てしない。都道府県対抗駅伝出場、そして今度は全国高校駅伝へ・・・。そして今を見つめると、2年連続近畿駅伝出場を決めたことも快挙である。大阪府の代表として、胸を張って堂々とたすきをつなげたい。去年の8位入賞を上回る快走が目標である。

                               

女子駅伝チーム大健闘!

東雲史上最高記録と最高順位の11位でフィニッシュ!!

 「強くなるということは簡単なことだね!?」駅伝の1週間前の大阪教育大AC記録会で、川添が1500mで5分11秒の自己新記録で走った時に先生が声をかけました。同じく松永も5分16秒の自己新記録を出している。女子の中長パートは3年生がいない。2年4人、1年3人のチームです。男子には明確な目標があったが、女子の中長パートの雰囲気は毎日練習には取り組むが、モチベーションという点では男子とは格段の差があった。夏の鉢伏合宿ではよくがんばったが、その合宿が目的になってしまって、合宿以降はその気持ちが続かない傾向があった。

 三島地区は競技レベルが高い。大阪中学校駅伝に出場するには三島地区の予選会で8位以内に入らなければならない。シード校が2校あるものの、駅伝の強い学校を指で折りながら数えてみると、「誰がひとり風邪でも引いたら、予選も突破できないかもしれないな。」と、そんな不安が頭の中をよぎりました。10月の予選会では1度も先頭争いをする場面はなかったが、何とか5位にはいり大阪中学校駅伝の出場を決めたのである。

 東雲中陸上部は創部6年目。実は大阪中学校駅伝出場の歴史は男子よりも1年早く、創部2年目の04年から出場している。初出場の時は52分58秒で54位、05年51分44秒で38位、06年49分57秒で31位、07年48分29秒で13位と順調に力をつけていた。実は昨年のチームは男子の初優勝の影に隠れた感があったが、女子も近畿駅伝やシード入りを狙う力を兼ね備えていた。1500m4分53秒の宮アを筆頭に、上位5人の平均タイムは5分10秒であった。1区がうまく流れずに13位という結果になってしまったのだ。対して、今年の女子駅伝チームの上位5人の平均タイムは、予選会の時点では5分30秒くらい。前年度のチームとは、明らかに走力に違いがあった。ところが、長居公園で何度も試走を重ねているうちに、「自分たちもやれるのではないか」という自信を持つようになったのだ。周回コースのタイムトライアルの記録がどんどんあがり、昨年のチームの力に追いついてきたのだ。練習も継続、集中できるようになり、チームの雰囲気もとてもよくなってきた。本番の1週間前に過去の試走のデータから、今年のチームの設定タイムを算出。去年の記録には及ばないものの、48分40秒という数字が出たのだ。

 12時20分女子の部のスタート。24番のゼッケンナンバーを付けた1区の川添は3列目の外側2番目からのスタートとなる。男子同様、1区が3.5qの最長区間であり、チームの命運の鍵を握る73人のランナーが飛び出した。トラックを4分の3周してマラソンゲートへ。集団の前の方に位置しながら、川添は公園内周回路に出て行った。周回路のB中継点を通過したときも20番台のあたりで、彼女の持ちタイムからすると上出来である。競技場に入ってからもピッチが衰えることもなく、23番目でたすきを2区の松永に渡したのである。記録は設定タイム13分30秒を上回る13分11秒!去年1区を走った宮アよりも12秒も速い!! 川添は1500mを4分台で走る力を持っていることを確信したのだ。

 2区の松永はたすきを受け取ると積極的に前に出た。もともと前半から積極的なレースをするタイプである。この2区は最短の1.5qであるが、前半の流れを左右する重要な区間でもあるので、各チームともスピードランナーを揃える。10月以降は何とか継続した練習ができていたので、彼女の設定タイムは5分15秒。抜きつ抜かれつのデッドヒートの末、松永は3人を抜いた。最後はバテて、ラスト200mくらいに思うようにスパートがかけられなかったこともあり、区間12位の5分27秒という記録になったが、いい流れをたやさず、うまくつないでくれた。

 B中継点で松永からたすきをもらった3区の1年生冨賀見が、この流れにさらに勢いをつけた。公園内の周回路2.8qをちょうど1周する区間。試走を重ねるうちにメキメキと力をつけて、川添とほとんど変わらないタイムで走っているので、彼女には10分25秒のタイムを設定している。軽快なピッチで前にいるランナーをひとりひとり目標にして、何と9人をごぼう抜きする。ハイペースの入りで最後は苦しんだが、その失速を最低限にとどめ何と10分16秒で区間5位という素晴らしい成績を残す。

 こうなるとチームの勢いは止まらない。4区の1年生西岸が11番目にたすきをもらう。シード入りの10位以内は目前で、さらには近畿駅伝に出場できる5位のチームまで23秒差である。4区は1.8qと2番目に短い区間である。3.3qを走るアンカー区間までのつなぎの区間であるが、上位チームはこの区間でも多くの有力ランナーを揃える。西岸の設定タイムは6分55秒であったが、ひとりに抜かれ、ひとりを抜き、何とか11位を確保。この区間を何と区間6位の6分40秒で駆け抜けたことになる!

 5区は行正。予選会では1区をつとめていた堅実な選手である。11番目に西岸がマラソンゲートにあらわれたときは、さぞかしびっくりしたことでしょう。1秒前に10位の千里丘、その2秒前に9位の貝塚四、行正が走り出して1秒後に西陵と立て続けにたすきが渡る。アンカー区間でもこの僅差である。駅伝の神様は容赦なく、行正に大きな試練を与えたのである。シード入りは目の前。設定タイム12分35秒を目指して、チームの命運をかけてゴールを目指す。マラソンゲートを抜けてラスト300m。最後の力を振り絞って、行正が前の走者を抜いてフィニッシュ。行正は12分44秒で区間16位。チームは11位。48分18秒のタイムと合わせて、東雲女子駅伝チームの最高順位、最高記録。3年生のいないチームだけに、これからがとても楽しみになる結果となった。目指せ!全国駅伝、近畿駅伝!!

 調整がうまくいったこと。練習が継続できるようになったことで、確かな走力を身につけることができたこと。これらのことがうまくかみ合ったことが今回の好走につながったが、何よりも無欲で伸び伸びと走れたことが大きかったのではないか。この大会にかかるプレッシャーは男子に比べると、格段の差があったことは事実である。近畿駅伝、全国駅伝を本気で狙った場合、そのプレッシャーに負けないだけの精神力があるのかどうか。そういう意味では、はじめて女子は近畿駅伝や全国駅伝を狙うスタートラインに立ったのかも知れない。これからの毎日の練習ぶりに注目したい。