近畿中学校駅伝(12/8 橿原陸上競技場発着〜周辺道路周回コース)RESULTS

<男子駅伝の部> 参加6府県から各5校、計30校


(開会式)               (応援に駆けつけた陸上部員)  

 

1区(5q)

2区(3q)

3区(4q)

4区(4q)

5区(3q)

6区(4q)

計(23q)

東雲

松本 道義

越智 寮

和泉 佑亮

岡本 拓也

紀伊 将宏

東 篤志

1時間16分20秒

<9位>

16:14

26:12

39:13

52:28

62:44

76:20

16:14

9:5814

13:01

13:15

10:1618

13:36

* 距離は実際よりも、数10メートル長い。3qであれば、15秒程度タイムが悪くなると言われている。

<総合順位>

1位 加古川山手(兵庫)1時間14分53秒 2位 綾部(京都)1時間15分01秒 

3位 北条(兵庫)1時間15分04秒 4位 青雲(兵庫)1時間15分27秒 

5位 貝塚四(大阪)1時間16分01秒 6位 野上(和歌山)1時間16分06秒 

7位 桜が丘(兵庫)1時間16分14秒 8位 東陽(大阪)1時間16分19秒

9位 東雲(大阪)1時間16分20秒 10位 新宮(和歌山)1時間16分29秒

夢が輝く6人のたすきリレー、1秒差で入賞を逃すも感動の9位!

    今年で30回目を迎える近畿中学駅伝(女子は23回)は、全国中学駅伝開催の14年前から開催されている歴史のある大会です。歴代の区間賞の選手の顔ぶれを見ると、都大路や箱根を駆け抜けた駅伝の名ランナーの名前が並ぶ。この夏の北京オリンピックで5000mに出場した小林祐梨子も兵庫県の選手として出場。5年前に1区の区間賞に輝いている。(当時は宿舎も同じで、そのあとの全国中学駅伝でもいっしょであったので、強く印象に残っている。)東雲中学校は2年連続2回目の近畿中学駅伝出場。昨年度は全国中学駅伝の大阪府代表として出場し、この近畿中学駅伝は8位入賞を果たしている。今年のチームは夢の全国駅伝中学出場を逃しただけに、この近畿中学駅伝は何とか意地を見せたい。8位入賞を目標に前日に現地入り。今年は奈良県橿原競技場を発着して、周辺道路を周回するコースでおこなわれる。この日は、雪がちらつくこの冬一番の寒さであった。コース下見と調整練習を終えたあとに、3時からの開会式にのぞんだ。近畿の6府県の代表5校。男女あわせて60校が勢ぞろいした会場には独特の緊張感があった。

    レース当日。寒さもやわらぎ、風もなく、絶好の駅伝日和となった。11時30分過ぎに、誘導された花の1区の30人の走者が緊張の面持ちでスタートラインに誘導される。ベンチコートを着て、ジョッグやダッシュを繰り返す選手の動きを遠くで見つめる。その中でも松本はとても落ち着いているように見えた。松本は昨年の全国中学校駅伝でも1区を走っている。さすがに、大舞台には慣れているのだ。宿舎のホテルから現地までの移動のときにも、「(全国駅伝出場が決まる)大阪中学校駅伝のときの緊張感に比べればたいしたことはない。」と言っていたが、まさしく同感であった。
  11時45分。運命のピストルが鳴り、30人のランナーがきれいにスタートを切った。予想以上にゆっくりとした出だしである。長丁場の5qにのぞむプレッシャーと、何とかいい位置でたすきをつないで駅伝の流れをつくりたいという思惑が複雑に交錯するのだろう。競技場をおよそ1000m走り一般道路に出ていくのだが、途中の600m付近、ホームストレート付近でアクシデントが起こる。何と松本が前の走者と足をひっかけて転倒したのである。すぐに立ち上がり事なきを得たが、スローペースにじれた松本は直後にするすると前に出た。ほぼ先頭近くの位置で松本は集団を引っ張るように外周の一般道路に出ていったのだ。そのあとは、ほぼ2qの外周道路を2周するコースとなっている。あらかじめ自分で決めていたポイントに駆け足で移動する。沿道で待っていると大きな歓声の波がこちらに近づいている。20人近くの大集団がやってきた。松本もしっかりとピッチを刻んでいる。小刻みなスパートが、ボディーブローのように選手の体にダメージを与えていく。ラスト1.5q付近。先頭集団がばらけだし、松本も顔をゆがめながら、何とかくらいついていく。このときは5〜6番手あたりか。すぐに競技場に駆け足でもどる。沿道の係員からレシーバーで情報が届き、役員の指示で2区の選手がユニフォーム姿で出てくる。先頭を走るチームの7〜8名くらいの選手が中継ラインに横一線で並んでいる。その中にもも上げをする2区の越智の姿も見える。大歓声を切り裂くように京都の選手が飛びこんで来た。その数メートルあとに選手が続く。松本が5番目にやってきた。何とトップの選手とわずか6秒差でたすきをつないだのである。すばらしい走りで大阪勢ではトップで、2区の越智が堂々と競技場を出て行った。

2区は5区と並ぶ3qの最短区間。駅伝の流れをつくるためにも重要な区間となる。先頭の背中が見える選手は抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り返す。ほぼ1.5qのコースを2周するこの区間の中間点を越智は4分50秒あたりで通過する。結局3人に抜かれることになるが、越智は粘りの走りで10分を切る設定タイムをクリア。「ラスト300m!いつものウインドスプリント!!大きく腕を振れ!!!」の声に応えるスパートはとても見事でした。

   8番目にたすきをもらった3区の和泉はするすると前に出て、6番手グループで気迫の走りを見せる。この区間は準エースが走る前半のヤマ場となる4q区間。25秒ほど前に先頭のチームが中継しているので、先頭の背中を何とか視界に入れることができる。細い長方形をしたかたちの2qの周回コースを、時計の振り子のように何度もポイントに向かって駆け足で移動するのだ。「和泉、ここからが粘りどころ!」と声をかけてあわてて競技場にもどる。このきびしい区間を和泉は13分01秒の区間6位の走りで、6位とは6秒差の8位で、両手を大きく広げて待ちかまえる岡本にたすきをつないだのである。

   4区も同様に4q区間。キャプテンの岡本はオーバーペース覚悟で、前半からペースを上げる。肩をぶつけあうように他の選手と並走するようすは、まさしく意地のぶつかりあいのようであった。この時点でも大阪勢のトップをひた走るゼッケン番号14番(大阪府予選会で4位を意味する番号です!)の東雲。昨年の全国中学駅伝出場チームのプライドで、確かな存在感を見せた。ここまでは、東雲らしいほぼ満点の出来レース。ラスト1qあたりで、さすがに岡本は苦しそうに顔をゆがめたが持ち前の粘り強さを発揮し、区間5位の13分15秒で2人を抜き、順位を6位にあげる活躍を見せた。

   5区3qの区間を任されたのは紀伊。岡本からたすきをもらうと、落ち着いたようすでたすきを肩にかけて、マラソンゲートに向かう。「はじめの1qでのれるように、ピッチを刻め!」と、大きく声をかけた.。紀伊は6番目の選手で3000mも10分を切って走ったことがない。堅実な走りが持ち味なのだが、府の予選会では緊張のあまり大事に行き過ぎて思うような走りができなかったのである。また、紀伊にとっては東雲のユニフォームを着て走る最後の引退レースとなる。「(失敗をおそれず、)今までで最高の走りができるように、積極的に行く。」ことを、前日のミーティングでも確認をしていたのだ。紀伊のピッチが極端に落ちることがないように願い、祈るような思いで沿道で見守っていた。やがて、2周目の周回に入る紀伊。前にも後ろにもわずかな差で、選手が縦に一列に並ぶように走っている。ラスト600m地点。先頭が通過して紀伊の姿があらわれるのを、じれる思いで遠くを見つめる。やがて、紀伊がまっすぐ前を見て、確かな足取りであらわれた。「やった!」とガッツポーズ。今までで一番大きな声で声援を送った。競技場にはいって、ラスト300m。「そこからや!きい〜!!いつものラスト300mのウインドスプリント!!!」毎日の練習では追いこんだメイン練習のあとすぐに、いつも300mと150mのウインドスプリントでもう一度追いこんでいるのだ。紀伊はその声を聞いて、大きく腕を振りバックストレートを駆け抜けた。そのままアンカーの待つ中継所へ。大阪の東陽中学に2秒先着されて、ひとつ順位をさげて7位になったが、見事に駅伝の流れを断ち切ることなく東にたすきを渡した。設定タイムを10分05秒から15秒と計算をしていたのだが、それをほぼクリアする10分16秒。3000mのトラックに換算すると、10分ちょうどくらいか。間違いなく、自身最後のレースで最高の走りを見せたのだ。

   アンカーの6区は4q区間。ここまで20q近くたすきをつないできたのにもかかわらず、先頭は3人の選手が横並びで夢の頂(いただき)に向かって激走している。その後方の集団でも激しい戦いで、目を放せない状況が続く。東も並走を繰り返しながら、東陽に追いつき逆に10mほど差を広げる。さらには大阪の優勝チームの貝塚四中のアンカーが猛烈な追い上げを見せて、東ら6位〜8位集団を逆転。意地を見せつけた。東が目の前を通過すると、次のポイントに向かって小走りで移動する。気持ちは選手と並走したいくらいである。沿道の声援の声もひときわ大きくなっている。そして、夢のフィナーレを迎える競技場へ。アンカー勝負を制した山手中学が歓喜のゴールへ。2位、3位、4位・・・。順位を心の中で数えながらマラソンゲートを見つめる。8位の選手が現れた。宿敵の東陽。そのすぐあとに東。必死で追い上げるが1秒差の9位でフィニッシュ。東はこの区間を13分36秒で走り抜け、区間順位も同じ9位であった。

    にこやかな笑顔であった。目標の8位には届かなかったが、激戦でレベルの高い近畿大会で、大阪4位のチームが9位という結果を残したのである。他府県の3つの全国駅伝出場校にも先着したのだから、充分に評価できる。どの区間もうまくたすきをつなぎ、最高の駅伝となった。遅い時間となったお弁当をほおばりながら談笑する6人の選手たち。補欠の選手も、応援にかけつけた60名以上の陸上部員、そして保護者もみんな同じ色の笑顔になった。ゆるやかに流れる時間がとても愛おしかった。バックスタンド後方には小高い山が見える。歴史的にも有名な大和三山のひとつ畝傍山(うねびやま)である。畝傍山も東雲中陸上部の活躍を静かに見守ってくれていたのかもしれない。バックスタンドでたなびく「夢輝け!大阪東雲中」の幟(のぼり)のブルーがとてもきれいに見えた。