サッカー部員へ
今から半年前は、ちょうど北摂リーグの2部降格が決まった頃でした。それから年が明け、2020年になり、北摂リーグの後期が始まりました。リーグ戦は1点差の厳しい試合もありましたが、4連勝で勝ち点3を確実に積み重ねた好スタートが切れました。秋季大会やガンバカップ予選で浮かび上がったチームの課題は、勝利への執念、ゴールへの執着心でした。そのため、先生は冬休み頃からチームにより細かな高い要求をするようになりました。チームは戸惑いながらも、必死でその要求に応え、練習や試合を通じて、確実にゴール前のプレーに成長がみられるようになりました。
しかし、2月11日の第5節目、上位対決となった試合では、1対1のまま後半終了間際に失点し1対2で惜敗しました。普段、あまり感情を出さなかった選手も、この試合では感情を露わにしました。改めて終了間際のワンプレーまで、正確にプレーを継続するための集中力の大切さを痛感しました。試合後、チームは意外にも落胆している様子もなく、むしろ積極的に結果を受け入れようとする姿がみられて、チームの成長と春季大会への期待が膨らみました。その時は、2月下旬の学年末テストをはさんで、再び、チームが集まれる予定に、微塵の疑いもありませんでした。
2月27日(木)、夕方のニュースで3月からの一斉休校を知りました。翌日の登校後は、数回の登校日があり、その時は、少し長い春休みになると思っていました。しかし、学校再開ができるような事態ではないと、日に日に強く感じるようになりました。新型コロナウイルスにより芸能人が亡くなるニュースや緊急事態宣言など、100年に1度の事態であることだと、怖いほど感じるようになりました。
そのような中、春季大会の中止が決定し、直接、みんなにそのことを伝えることができない状況が続きました。中止が決まった時、2月11日の敗戦後の気持ちと同じように、まだ、選手権があり、再びチームは集まることができると信じていました。5月には、「Reスタートができますように」という願いに近い気持ちでした。
4月24日、選手権大会(地区予選・中央大会)、全国大会中止のニュースが流れました。同時に、みんなの顔が浮かびました。ニュースを知って、新3年生はどれだけショックだろうか、先生の想像を上回るほどのショックだったでしょう。しかし、みんなは、サッカーのことしか考えられない中学生ではありません。少し時間をかければ、中止は仕方がないと理解はできていると思います。もちろん、納得なんて、到底できません。納得ができなくても、再び、仕方ないという思いになるという繰り返しでしょう。
そんなことを考えると、先生は、すぐに、直接、みんなと会って話をしたいと思いましたが、今の状況で、先生ができることは、この通信を書くことだけです。先生からは、みんなが期待しているようなことを何も言えませんが、ただみんなと気持ちを共感したいです。2年間、一緒にサッカーをしてきた仲間としか共感できないことはたくさんあります。再び、グラウンドに集まった時は、先生や仲間と一緒に思いっきり気持ちをぶつけていきましょう。
最後に、今、みんなは多くの人に支えられ、多くの人とつながり、多くの人のおかげでサッカーができていたということを痛感しているはずです。新3年生はReスタートを切ることができず、当然、中央大会出場というゴール(目標)もなくなりました。しかし、いつかは、再び、普段通り、グラウンドで練習前に握手を交わして、日常の練習が始まり、たった1球のボールで心も体も繋がることができるサッカーができる日が来ます。
世界中の人たちの一人ひとりの思いやりのある行動によって、その日は、確実に近づいています。先生もできることをすべて全力で必ずやり抜こうと思います。